【結論】

ウォリアーズは、主力の大半を欠いたペイサーズに対し第4クォーターに逆転を許し、109-114で敗北、今季初の連敗を喫した。

【試合の要点と文脈】

事実: ウォリアーズは、ヤニス・アデトクンボ不在のバックスに敗れた試合に続き、この日(現地2025年11月1日)もロードでの一戦。対するインディアナ・ペイサーズは開幕0勝5敗と勝利がなかった。

さらにペイサーズは、タイリース・ハリバートン(今季全休)、ベネディクト・マサリン、アンドリュー・ネムハード、オビ・トッピン、TJ・マコーネルといった主力および主要ローテーション選手を軒並み欠く、まさに「ウイニング・ロスター」とは言い難い布陣だった。

ウォリアーズは第3クォーター終盤に17-5のランを見せ、88-82とリードして最終クォーターに入った。第4クォーター開始早々にはクィンテン・ポストの3ポイントでリードを10点に広げた(残り9分時点)。しかし、そこからペイサーズの2ウェイ契約選手であるクイントン・ジャクソンに牽引され、終盤の約9分間で21-5のビッグランを許し、逆転負けを喫した。

【核となる言葉】

「2試合をただ捨てたように感じる。我々はもっとシャープでなければならない。今夜はタフな夜になるべきではなかった。昨日休み、今日シュートアラウンドもなし。休息は十分だった」 (出典:スティーブ・カーHCの試合後コメント / The Athletic, Anthony Slater)

見解: カーHCの言葉通り、疲労を言い訳にできない状況下で、格下と目された相手、それも満身創痍の相手に対して試合をクローズできなかった事実は重い。これは単なる1敗以上の、チームの遂行力と集中力に関わる問題を示している。

【選手個別分析】

  • ステフィン・カリー
    事実: 24得点(チームハイ)、FG 8/23 (34.8%)、3P 4/16 (25.0%)、FT 4/5 (80.0%)、ターンオーバー5、プラスマイナス -21。
    プレー: ペイサーズの積極的なプレッシャーディフェンスに苦しみ、ショットの精度を欠いた。第3クォーター途中にベンチへ下がった際、チームはリードを奪い返したが、第4クォーターの勝負所でコートに戻ってからの6分26秒間でFG 2/7(3P 1/5)、ミスフリースロー1、プラスマイナス -13と失速した。
    意思決定: 苦しい状況で打開しようとする試みが見られたが、結果としてタフショットの多投と、2試合連続での5ターンオーバーという数字に繋がった。
  • ジミー・バトラー
    事実: 20得点、6リバウンド、7アシスト、3スティール、2ブロック。
    プレー: スタッツが示す通り、攻守両面で多大な貢献を見せた。特に第3クォーター終盤の2-for-1(残り時間で2回の攻撃権を得るプレー)を成功させるなど、勝負勘の良さも見せた。
    意思決定: カリーが苦しむ中で、セカンドオプションとして積極的にプレーメイクと得点を担った。終盤、ジャクソンの3ポイントで逆転された直後に同点ダンクを決めたが、その後のフリースローを外し3ポイントプレーとはならなかった。
  • ジョナサン・クミンガ
    事実: 17得点(5本のダンクを含む)、FG 7/12、3P 1/3。
    プレー: 持ち前の運動能力を活かし、アグレッシブにリムへアタックし続けた。オフェンスが停滞する時間帯において、彼のダンクは数少ないエナジーの源泉だった。
    意思決定: 一方で、ミッドレンジジャンパーの精度は安定せず、終盤の勝負所でコーナーから放った3ポイントもミスとなった。
  • ブランディン・ポジェムスキー
    事実: 16得点。第3クォーターだけで10得点を記録。
    プレー: 先発起用に応え、特に第3クォーターのランを牽引。カリーがベンチにいる時間帯にオフェンスをリードした。
    意思決定: 積極的な仕掛けが光った一方で、第4クォーターのプレッシャー下では存在感が薄れた。
  • ギ・サントス
    事実: 第4クォーターに起用され、3つのオフェンスリバウンドを記録。
    プレー: 彼のハッスルプレーは、ジミー・バトラーのレイアップ、クィンテン・ポストのプットバック、ステフィン・カリーの3ポイントという貴重なセカンドチャンス得点に直結した。
    意思決定: 限られた出場時間の中で、エネルギーとフィジカルな貢献という自身の役割を明確に果たした。

【ペイサーズのキープレイヤー】

事実:

  • アーロン・ニースミス: キャリアハイの31得点(シーズン平均11点)、3P 5本。
  • パスカル・シアカム: 27得点 (FG 12/23)。第1クォーターだけで10点 (FG 5/5) と序盤を支配。終盤には決勝点となる3ポイント(残り37秒)を沈めた。
  • クイントン・ジャクソン: 25得点、10アシスト(2ウェイ契約)。特に第4クォーターに12得点を集中させ、逆転劇の主役となった。

## 戦術と戦略の核心

【セットの狙いと機能不全】

事実: ウォリアーズはこの試合、カリー、ポジェムスキー、バトラー、クミンガ、ドレイモンド・グリーンというスモールラインナップを先発に採用した。これは機動力と多様な攻撃オプションを意図したものだった。

しかし、ペイサーズ(特にシアカム)はウォリアーズのゾーンディフェンス、あるいはスモールラインナップのインサイドのサイズ不足を序盤から徹底的に攻めた。シアカムは第1クォーター、リム周辺とフローター(最長11フィート)でFG 5/5を記録し、ウォリアーズの守備計画を早々に狂わせた。

【マッチアップの針穴】

事実: 第4クォーター、ウォリアーズの最大の誤算は、2ウェイ契約のクイントン・ジャクソンに対応できなかったことである。彼がスーパースターモードに入った際、ウォリアーズは彼を止める明確なディフェンダー、あるいはスキーム(戦術的対応)を提示できなかった。

見解: カリーがペイサーズのプレッシャーディフェンスに苦しんだ裏返しでもある。ウォリアーズのオフェンスがカリー起点で機能不全に陥ったことで、ペイサーズは守備からリズムを作り、ジャクソンのような普段のスコアラーではない選手にまで自信を持ってプレーさせてしまった。

【指標で見る敗因】

事実:

  • eFG% (実質フィールドゴール成功率): ペイサーズの50.9%に対し、ウォリアーズは48.3%。特にウォリアーズの3P成功率は27.3% (12/44) と低迷した。
  • ターンオーバー: ウォリアーズは16ターンオーバー(前試合の22から改善)。しかし、その多くがライブボール・ターンオーバー(相手に即攻撃権が渡るミス)であり、ペイサーズに17点のターンオーバー得点を献上した。(出典:NBC Sports Bay Area)
  • プラスマイナス: ステフィン・カリーの-21は、彼がコートに立っていた時間帯に、いかにチームが機能していなかったかを明確に示している。

【試合を決めた3つの要因】

① 要因1: 第4クォーターの攻守にわたる崩壊

事実: 第4クォーターのスコアは 21-32。一時10点あったリードは、ペイサーズの終盤21-5のランによって消滅した。オフェンスではカリーがFG 2/7と沈黙し、チーム全体で重要なショットをミス。ディフェンスでは、残り1分9秒にジャクソンに逆転3ポイント、残り37秒にシアカムに決勝3ポイントを許すなど、勝負所での守備集中力を欠いた。

② 要因2: ステフィン・カリーのブレーキとターンオーバー

事実: カリーはFG 8/23 (34.8%)、3P 4/16 (25.0%) と、エースとしては極めて低い成功率に終わった。さらに2試合連続となる5ターンオーバーを記録。プラスマイナス-21という数字は、彼がコートにいる間にリードを失ったことを示している。特に第4Q終盤、チームが彼に頼る場面での失速(-13)が致命的だった。

③ 要因3: ペイサーズの「無名」戦力への対応不備

事実: ペイサーズは主力を大量に欠いていた。しかし、ウォリアーズはパスカル・シアカム(27点)とアーロン・ニースミス(キャリアハイ31点)の2人に計58点を許した。さらに最大の誤算は、2ウェイ契約のクイントン・ジャクソン(25点10アシスト)だった。第4クォーターだけで12点を奪われ、完全に試合の主導権を握られた。

見解: 主力不在の相手に対し、残った主力(シアカム)を止められず、さらに普段は主役ではない選手(ニースミス、ジャクソン)の覚醒を許したのは、ウォリアーズのスカウティング不足、あるいは試合中の対応力の欠如と言わざるを得ない。


【再結論】

主力不在の格下相手への連敗は、ウォリアーズの現状の脆さを示している。この敗戦から学ぶべきことは多い。

次戦(ホーム開幕・サンズ戦)で我々が見るべき3点は以下である。

  1. カリーの復調とターンオーバーの制御: エースがペイサーズのプレッシャーに屈した事実をどう修正するか。
  2. 試合のクローズアウト: 第4クォーターにリードを守り切るための、攻守両面での遂行力。
  3. スモールラインナップの守備: 特にインサイドとリバウンドで、相手のフィジカルな攻撃にどう対抗するか。

【感想】

「休養は十分だった」というカーHCの言葉が重い。これは技術的な敗北であると同時に、メンタル的な敗北でもある。 ホームに戻るサンズ戦で、この悪い流れを断ち切る強い意志と具体的な修正策を示してほしい。