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ウォリアーズは「トラップゲーム(罠)」の典型的な罠にはまり、ヤニス・アデトクンボ不在のバックスに110-120で敗れた。精神的・肉体的疲労が重なる中で、今季ワーストの22ターンオーバーと、元ウォリアーズのライアン・ロリンズのキャリアハイ32得点という「リベンジ」を許したことが直接の敗因である。
試合の要点と文脈
2025年10月30日(現地時間)、ウォリアーズはフィサーブ・フォーラムでミルウォーキー・バックスと対戦した。開幕4勝1敗と好スタートを切ったウォリアーズだが、これは今後12試合中10試合がアウェイという過酷なロードトリップの序盤戦だった。
試合の様相は、ティップオフの1時間前に一変した。バックスの大黒柱であるヤニス・アデトクンボが、左膝痛により急遽欠場することが発表された。
ウォリアーズはこの状況にスローなスタートを切り、今季初めて第3クォーターでもアウトスコアされるなど、終始リズムに乗れなかった。これでウォリアーズはロード1勝2敗となり、4勝2敗と一歩後退した。
核となる言葉・コメント
スティーブ・カーHCは試合後、敗因を「疲労」と明確に認めつつも、スター選手不在の相手に敗れる「いつものパターン」だと自嘲気味に語った。
「私には疲労に見えた。精神的、肉体的な疲労だ。我々のチームがそこにいるようには見えなかった。スペーシングは悪く、いつものキレがなかった」 (出典:カーHC試合後会見)
「(スター不在の試合で負けることについて)そうであってはならない。ここ数年、スター選手がプレーしなかった試合は、我々は0勝12敗(※訳注:HCの誇張表現)くらいだからだ。(中略)スター選手が欠場すると聞いた瞬間に恐ろしくなる。このリーグの全員がプレーできる。スターが休むと皆がエキサイトするんだ。率直に言って、この試合(の結果)は驚きではなかった」 (出典:カーHC試合後会見)
選手個別分析
主力は得点を重ねたものの、それ以上にターンオーバーという「負債」が大きかった。
- ステフィン・カリー:
- スタッツ:チームハイの27得点、6リバウンド、4アシスト。
- プレー:第1クォーターに3Pを放った後、右膝を気にする素振りを見せた。奮闘したものの、クミンガと並びチーム最多の5ターンオーバーを記録し、リズムを掴みきれなかった。
- ジョナサン・クミンガ:
- スタッツ:24得点、8リバウンド。
- プレー:得点とリバウンドで貢献したが、彼も5ターンオーバー。オフェンスを牽引する場面と、ボールを失う場面が混在した。
- ジミー・バトラー:
- スタッツ:23得点、11リバウンド、5アシスト。
- プレー:今シーズン初のダブルダブルを記録し、チームリーダーとして安定感を見せた。しかし、チーム全体のミスの多さをカバーするには至らなかった。
- ベンチユニット:
- スタッツ:バックスベンチに29-38でアウトスコアされる。
- プレー:ミルウォーキー凱旋となったブランディン・ポジェムスキーが9得点、5リバウンド、3スティールと気を吐いたが、ユニット全体の3P成功率は僅か27.8% (5/18)。特にバディ・ヒールド(8点)、アル・ホーフォード(3点)のシューター陣が沈黙し、オフェンスの停滞を招いた。
- ライアン・ロリンズ (バックス):
- スタッツ:ゲームハイの32得点(キャリアハイ)、8アシスト、5本の3P。
- プレー:この試合の主役。2022年ドラフト44位でウォリアーズが指名し、ジョーダン・プール取引の一部として放出されたロリンズが、古巣相手に完璧な「リベンジゲーム」を達成した。カーHCは「彼のスピードに我々はかなり苦しめられた」と脱帽した。
試合を決めた「3つの要因」
- 要因1:自滅を招いた22回のターンオーバー
- 結論:今シーズンワーストの22ターンオーバーを記録し、そこから27点をバックスに献上したことが最大の敗因である。
- 背景:ウォリアーズは開幕5試合でも平均16ターンオーバー(リーグワースト7位タイ)と、昨季からの課題を修正できていなかった。
- インパクト:カリーとクミンガだけで10回、6選手が複数回のターンオーバーを記録。自ら勝利を放棄する形となった。
- 要因2:精神的・肉体的な「疲労」
- 結論:開幕10日間で6試合目という過密日程が、チームの「キレ」を奪った。
- 背景:カーHCが「精神的・肉体的な疲労」と認める通り、チームは精彩を欠いた。
- インパクト:今季の武器だった「魔の第3クォーター」で初めて相手にアウトスコアされた。これは、前半の守備(今季6試合中4試合で60失点以上)の甘さを、後半に修正する力が残っていなかったことを示している。
- 要因3:ヤニス不在の「トラップゲーム」
- 結論:相手のスター不在による精神的な緩みが、相手のロールプレイヤーを勢いづかせた。
- 背景:カーHCは「スターが休むと皆がエキサイトする」とこのパターンを警戒していたが、まさにその通りの展開となった。
- インパクト:ロリンズ(32点)の爆発に加え、バックスはコール・アンソニー(16点)、ボビー・ポーティス(12点)、トーリアン・プリンス(10点)など、出場した9人中7人が2桁得点を記録。チーム全体でウォリアーズを上回った。
戦術と戦略の核心
この試合の戦術的な失敗は、「疲労を考慮しないままスイッチングディフェンスを採用したこと」にある。
カーHCは試合後、「相手がスモール(ヤニス不在)だったので、我々は全員がスイッチするカバレッジとラインナップにした」と明言した。
しかし、カーHC自身が「我々のディフェンスは今夜苦しんだ」「うまく機能していたとは感じなかった」と認めた通り、このスイッチング戦略は完全に裏目に出た。
戦術の核心は、ロリンズの「スピード」にあった。彼の素早いペネトレイションに対し、疲労の見えるウォリアーズの選手(特にアル・ホーフォードが狙われた)のフットワークが追いつかなかった。
ロリンズのドライブを止められないため、ディフェンスが収縮し、そこからのキックアウトパスでバックスに19本もの3P(成功率41.3%)を浴びた。
ディフェンス戦略(スイッチ)と、選手のコンディション(疲労)が噛み合わず、戦術が機能不全に陥ったのが敗因の核心である。
ヤニス不在という「勝てるはず」の試合を、自滅(22TO)と相手の勢い(ロリンズの32点)によって落とした、非常に内容の悪い敗戦である。疲労を言い訳にせず、ターンオーバーの多さと、スター不在の相手に対する精神的な緩さという、昨季から続く悪癖を断ち切ることが急務である。
次に見るべき3点
- ターンオーバーの削減: 次戦、ターンオーバー数を15回以下に抑えられるか。
- ベンチシューターの復調: バディ・ヒールドとアル・ホーフォードが、ロードトリップ中にベンチの得点源として機能するか。
- 次戦の入り方: 次のインディアナ(ペイサーズ)戦で、試合序盤から高い集中力とディフェンスの規律を保てるか。
感想
ジミー・バトラーは試合後、「勝てる試合だった。やるべきことをやれば、すぐにまた花が咲き、ヒナギクが咲き乱れる(flowers and daisies=万事うまくいく)さ」と前を向いた。
この敗戦を「疲労」の一言で片付けず、チームの課題として修正できるか。過酷なロードトリップは始まったばかりだ。
出典・エビデンス
この記事は、以下の公式コメントおよび現地報道に基づいて構成されています。(2025年10月30日時点)
- スティーブ・カーHC 試合後記者会見コメント
- ジミー・バトラー 試合後ロッカールームコメント
- NBC Sports Bay Area “What we learned as turnovers doom Warriors in loss to short-handed Bucks”
- NBC Sports Bay Area “Steve Kerr shares why Warriors struggle vs. starless teams after loss to Bucks”
- ClutchPoints “Former Warriors guard exposes Dubs in Bucks’ Giannis-less win”
- Anthony Slater (The Athletic) X投稿
- Kenzo Fukuda (ClutchPoints) X投稿

















