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【結論】
ウォリアーズは敵地での開幕戦で、ジミー・バトラーの絶対的な安定感(31得点、FT 16/16)と、スターター抜擢という「チャンス」に応えたジョナサン・クミンガの顕著な成長(17得点、9R、6A)に牽引され、レイカーズを119-109で下す最高のシーズンスタートを切りました。
開幕戦から試された総合力
2025-26シーズンの開幕戦は、10月22日(現地時間)、ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで行われました。ウォリアーズはモーゼス・ムーディーが怪我で欠場。一方、レイカーズはレブロン・ジェームズが坐骨神経痛により、キャリア23年で初めて開幕戦を欠場するという異例の事態となりました。ジェームズは11月中旬まで離脱する見込みと報じられています。
注目されたスターティングラインナップは、ウォリアーズがステフィン・カリー、ブランディン・ポジェムスキー、ジミー・バトラー、ジョナサン・クミンガ、ドレイモンド・グリーンでした。新加入のアル・ホーフォードはベンチスタートです。クミンガは夏に2年4850万ドルで契約延長した際、役割拡大が確約されていたと報じられており、その通りの開幕スターター抜擢となりました。
試合は、ウォリアーズが後半開始早々に19-4のランを見せ、リードを最大17点まで広げる展開。レイカーズも第4クォーター、オースティン・リーブスを中心に反撃し、残り3分59秒で105-99と6点差まで詰め寄りましたが、ウォリアーズがそこから突き放し、重要なロードでの開幕戦を勝利で飾りました。
【核となる言葉】カーHCが定義した「カオスと安定性」
この試合を象徴するのが、スティーブ・カーHCの試合後のコメントです。カーHCは、ジミー・バトラーのプレーがチームに与える影響について、核心を突く言葉を残しました。
「彼(バトラー)こそが、昨季我々が良いチームになれた理由だ。彼は安定性をもたらす。ファウルをもらい、フリースローラインに立ち、試合を落ち着かせる能力だ」
「我々は常に、ドレイモンドとステフの『カオス(混沌)』を『安定性』でサポートすることで最高の状態になれる。それはかつてアンドレ(イグダーラ)やショーン・リビングストンがやったことだ。カオスは強力だが、時に我々の手を離れてしまう。ジミーが我々を落ち着かせるんだ」
まさに、このカーHCの言葉を体現した試合内容でした。また、カーHCは14分弱出場した2巡目ルーキーのウィル・リチャードについても、「彼は7年目の選手のように見える。ルーキーには見えない」と最大限の賛辞を送っており、新戦力が早速機能したことも示唆しました。
【選手個別分析(ウォリアーズ)】開花した才能と証明された信頼
ジミー・バトラー:「安定性」の体現者
チームハイの31得点(FG 7/14)、5リバウンド、4アシストを記録。プレシーズンの左足首の負傷を感じさせず、第1クォーターだけで12得点(うちFT 7/7)を挙げ、序盤のオフェンスを牽引しました。
圧巻だったのはフリースローで、獲得した16本全てを成功(16/16)。出場時間34分強で、プラスマイナスはチームトップの+20でした。
試合後、バトラーはこのFTについて、ドレイモンドと「ステフィン・カリー(#30)より高いフリースロー成功率をシーズン通して維持する」という賭けをしていると明かし、「彼(カリー)が8本中8本決めるなら、自分は16本中16本を毎晩できるはずだ」とコメントしています。
彼がフリースローラインを支配することで、試合のペースが制御されました。FG試投数が多くなくても(14本)、確実に得点を積み上げるこの絶対的な安定感こそ、ウォリアーズが昨季から求めていたものです。
ジョナサン・クミンガ:「チャンスへの回答」
スターター起用に応え、33分弱の出場で17得点(FG 6/11)、チームハイの9リバウンド、そして6アシスト、1スティールとオールラウンドに活躍しました。
3ポイントシュートは6本中4本を成功させ、キャリアハイタイ記録。特に第3クォーターにはFG 5/5(3P 3/3)の13得点と爆発しました。
この活躍に対し、ドレイモンドは「彼は(もっと大きな)チャンスが欲しいと公言していた。そして、それに応えた(delivered)」と最大級の賛辞を送っています。
バトラーも「彼は全て正しいプレーをした」と評価。特に「6アシストはワイルドだ(すごい)」と舌を巻き、ドレイモンドも「ホーフォードへのドロップパスはクレイジーだ。2年前にはできなかったプレー」と、その成長を認めています。
バトラーはキャンプ中から練習外でもクミンガを指導していることを明かしており、そのメンターシップが即座に結果として表れました。「生来の才能」(バトラー談)が、ベテランとの化学反応によって開花したことを示す開幕戦でした。
ステフィン・カリー:「重力」という名の貢献
32分間で23得点(FG 6/14)、4アシスト。フリースローも8本全て成功させました。
バトラーが「みんながステフに注目するから、自分は楽な仕事」と語った通り、カリーの「重力」がコート上のスペースを生み出し、バトラーやクミンガ、ヒールドのオフェンスを強力にサポートしました。
自身は勝負どころ(残り51秒の超ロング3P)で確実に仕留め、17年目の熟練の技を見せました。
ドレイモンド・グリーン:「信頼」の証明
8得点、7リバウンド、そしてチームハイの9アシスト、2ブロック。プラスマイナスはバトラーと並ぶ+20でした。
昨季から懸念されたバトラーとのケミストリーについて問われると、ドレイモンドは不仲説を一蹴。「彼は強烈なリーダーシップを持つ存在だ。私もそうだ。世間では衝突するという誤解があったようだが、本物のリーダー同士は衝突しない。そこにはリスペクトがあるからだ」「彼は私がこれまで持った中で最高のチームメイトの一人だ」と断言しました。
9アシストが示す通り、彼のプレーメイクは今季もチームの心臓です。そして、バトラーとの強固な信頼関係が、チームの新たな基盤となることを証明しました。
その他の選手
バディ・ヒールド:ベンチから22分出場し、3P 5本(10本中)を含む17得点を記録。純粋なシューターとしてセカンドユニットのスペーシングを劇的に改善させました。
ウィル・リチャード:2巡目ルーキーながら13分半出場し5得点。カーHCが「7年目の選手」と絶賛した通り、スティールからGP2へのロブパス(アシスト)など、堂々たるデビューを果たしました。
アル・ホーフォード:ウォリアーズデビュー戦はベンチから20分で5得点、プラスマイナス-10と苦しみましたが、39歳のベテラン。シーズンを通した負荷管理の一環でしょう。
【選手個別分析(レイカーズ)】ドンチッチ依存の限界
ルカ・ドンチッチ:ゲームハイの43得点、12リバウンド、9アシストと圧巻のパフォーマンスでした。しかし、ウォリアーズの執拗なマークに苦しみ、3Pは10本中2本成功(20%)、FTも10本中7本成功(70%)と、効率は抑え込まれました。
オースティン・リーブス:26得点、9アシストと奮闘しましたが、第4クォーターに得点を集中させるまで、ファウルトラブル(計5回)に苦しみました。
八村塁:八村選手は35分以上出場し、9得点、4リバウンド、3アシストを記録しました。ドンチッチとリーブスにボールが集中したため、オフェンスに積極的に参加できている印象は薄かったです。しかし、その中でも3ポイントシュートは6本中3本を成功(成功率50%)。スポットアップ(パスを受けてそのままシュート)での精度の高さは流石でした。
レブロン・ジェームズ:坐骨神経痛での欠場は、レイカーズにとって最大の誤算でした。ドレイモンドは、自身も同じ怪我に苦しんだ経験から「最悪の敵にも経験してほしくない怪我だ。早い回復を祈る」と、ライバルに異例のエールを送っています。
レイカーズ全体:レブロン不在の中、オフェンスがドンチッチとリーブスの個人技に完全に依存していました。チームとしての3P成功率は25%、そしてフリースロー成功率はわずか60.7%と低迷。このフリースローの失敗(11本ミス)が、最終的に勝敗を分けたと言わざるを得ません。
戦術と戦略の核心(勝利を決めた3つの要因)
ウォリアーズがこの開幕戦を勝利した「3つの要因」を戦術的視点から解説します。
要因1:カーHCが語る「カオスと安定性」の完璧な融合
スティーブ・カーHCは、ウォリアーズの強さを「ドレイモンドとステフのカオス(混沌)」と「ジミー・バトラーの安定性」の融合であると定義しました。 まさにこの試合がそうでした。カリーの「重力」とドレイモンドの「9アシスト」がゲームの土台(カオス)を作り、クミンガやヒールドが爆発力を加えました。 そして、レイカーズが猛追した場面で、そのカオスを鎮めたのがバトラーの「FT 16/16」という絶対的な「安定性」でした。 かつてのイグダーラやリビングストンが担った「試合を落ち着かせる役割」を、バトラーがより強力な得点力で実行している。これが今季のウォリアーズの最大の強みです。
要因2:ドンチッチ対策の熟練の守備連携「スクラムスイッチ」
レイカーズは試合を通して、ドンチッチがカリーとのミスマッチを執拗に狙ってきました。 ウォリアーズはこれに対し、一度カリーがドンチッチにスイッチさせられた瞬間、ドレイモンドが即座に寄ってカリーを物理的に押し出し(バンプオフ)、再びドレイモンドがマッチアップに戻る「スクラムスイッチ」を敢行。 これは14シーズンを共にするカリーとドレイモンドだからこそ可能な、高度な連携です。ドンチTッチに43点を許しながらも、最も効率的な「カリーとのミスマッチ」という選択肢を潰し続けました。
要因3:フリースローラインでの「決定的な差」
レイカーズはペイント内得点では 62-36 とウォリアーズを圧倒しました。ドンチッチやリーブスのアタックが機能し、多くのファウルを獲得した証拠です。 しかし、レイカーズはそのアドバンテージを活かせませんでした。チーム全体のフリースロー成功率は、わずか60.7%(28本中17本成功)。11本もミスしてしまったのです。 対するウォリアーズは、チームで89.7%(29本中26本成功)という高い確率を記録。特にジミー・バトラーは16本全てを完璧に決めきりました。 この「フリースローラインでの確実性の差」が、最終的な10点差に直結した、非常に大きな要因です。
【再結論】
ウォリアーズは、カーHCが定義した「カオス(カリー&ドレイモンド)」と「安定性(バトラー)」の完璧な融合を見せ、ドンチッチの43点という個人技を「チームバスケットボール」(高確率の3PとFT)で上回りました。
さらに重要なのは、バトラーとドレイモンドという二人の「強烈なリーダー」が、互いとクミンガの才能を公然と認め合うという、強固な化学反応が確認できた点です。この信頼関係こそが、今季のウォリアSーズの最大の強みとなるでしょう。
次戦は、いよいよホーム開幕戦、昨季王者ナゲッツとの対戦です。
見るべき3点は以下です。
- クミンガとドレイモンドのフロントコートが、リーグ最強のニコラ・ヨキッチ相手に守備・リバウンドでどこまで通用するか。
- 衝撃デビューのウィル・リチャードは、モーゼス・ムーディー復帰後もローテーションに定着し続けられるか。
- この日-10だったアル・ホーフォードの起用法と、セカンドユニットのインサイドの安定感をどう改善していくか。
【感想】
バトラーとドレイモンドの試合後インタビューは、昨季までの不安を払拭するものでした。「本物のリーダー同士は衝突しない」という言葉通り、二人がクミンガの才能を本気で引き出そうとしている姿に、今季の「天井」の高さを感じます。
ドレイモンドがレブロンの坐骨神経痛の苦しみを語った場面も、ライバルへの深いリスペクトが感じられました。
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